竹井英久の 思案あれこれ (2) 買主責任とインスペクション
住宅新報 2021年12月21日 号 7面

竹井英久氏
ストック活用時代になり個人間中古住宅売買が住宅流通の中心になってきましたが、まだ業者売主・新築売買を前提にした宅建業法規制の思想で運営されているようです。
消費者保護の動きが売主責任型の取引イメージを膨らませ、買主は純粋に〝お客様〟で、何も心配せず何も調べずに完璧な物件を手に入れられるのが目標とすべき住宅流通であるかのようです。しかし売主もまた消費者ですし、何よりも中古品ですから権利関係を別にすれば、売主の告知書だけに頼らず、買主も自分で注意して建物を調査し(仲介業者が助言して)、納得して購入することが求められているのではないでしょうか。
建物インスペクションは当然買主がその費用で行い、疑問があれば精査し、修補請求・代金調整をすべきでしょう。そのためには、契約後にインスペクション期間を定めるように契約書面も取引慣行も修正する必要があります。十分な調査をしていないのに「他から買いも入っているので、すぐに契約しましょう」ではトラブルの元になります。仲介業者は一手間増えるのですが、納得した取引には冷静な調査期間が必要です。























