紙上ブログ不動産屋の独り言718 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 役所から支給された米の行き先 もらい手探しに一苦労
住宅新報 2023年9月5日 号 6面

先日、当社の管理物件に入居する高齢女性から頂くことになった、東京都から支給される米25キロについてだ。いったん私が受け取って、母子家庭や米が支給されない若い生活保護受給者に届けようと思い、10人ほどに声を掛けたが、みんな「いらない」と言う。浮いたお金でわずかばかりの贅沢を楽しんでもらえたらと思っていたので拍子抜けしてしまった。ならば、母子家庭や生活保護でなくても、と思い直したが、すぐに対象になる入居者が思い浮かばない。そうこうしているうちに第一便の10キロが届いたから、本来の仕事そっちのけでもらい手を探さなければならなくなった。
友人に相談も
たまたま、伊勢丹の地下で、私が仲良くしているAさんに「米、いらないかなあ」と声を掛けたら「いるわけないよ。私が売ってるんだから」と笑う。そうだとはいえ、立場上、おいしいお米がただで手に入るわけではないだろう。「あ、もらう」と言ってくれるのを期待していたが、あっさり振られた。それどころか「そのお米、家で保管するのは大変だよ。涼しい場所に置いておかないといけないから保管するにも厄介だよね」と同情された。生活保護の入居者を見下すわけでなく、誰か一人くらい「頂きます」と言ってくれたなら、この際25キロ全部をあげてしまってもよいか、と思い始めていたのだが。























