2024年「辰年」先読み(中) 追跡 成長力 ~不動産投資市場~ 政策変更後も低金利が続く 滞留する待機資金が手ぐすね 幅広い賃上げ 物件収益力に直結
住宅新報 2024年1月9日 号 6面
主力のオフィスビルなど適格投資対象となる日本の不動産ストックはアジア随一だ。JLLシニアディレクターの大東雄人氏は、「オフィスストックはニューヨークやロンドンと肩を並べるだけの投資先がある。それが海外投資家を引き付ける要因だ」と話す。グローバル投資家が分散投資する中で日本は外せない。JLLによれば、日本の不動産市場は約4兆円の資金が流れ込む規模を誇る。その投資対象は、オフィスにとどまらず、賃貸住宅や商業施設、ホテル、物流施設と幅広い。コロナ渦中にeコマースが普及して物流施設が注目を浴び、投資対象としての存在感を高めた。在宅時間が増えて賃貸住宅も安定した稼働率と家賃水準が改めて見直され投資割合が増えている。「東京都心は家賃が上昇して投資家と富裕層を引き付けている」(東京カンテイ上席主任研究員の井出武氏)。昨年5月以降のコロナ明けで経済が本格再開。国内と訪日客の人流が回復してホテルと商業施設の収益力も上がっている。
不動産投資が増えているのは、大規模金融緩和、マイナス金利の採用により資金調達コストが魅力的な状況にあるためだ。一方、海外は金利上昇により不動産を購入する際の借り入れコストが高く投資しにくい環境である。金利が急上昇したことで不動産利回りと資金調達コストが逆転し、お金を借りて投資リターンを求めることに対する整合性を失い始めて取引価格に下落圧力が高まっている。
住宅、商業、ホテル では、日本の低金利環境はいつまで続くのか。日銀は昨年12月に低金利政策の維持を決めた。これまでの金融政策の修正で長期金利を上げられる余地を増やしたが、足元では1%以内で推移しており、リターンを十分に得られる優位性は維持できている。
























