不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第2回 マイナス金利政策解除 賃金上昇と景気回復で活況
住宅新報 2024年5月21日 号 7面
今年3月、日本銀行(以下、日銀)からマイナス金利政策解除という特大発表があった。超低金利政策として知られるこの政策は、景気や物価を押し上げる目的で1999年2月より始まったゼロ金利政策が続くなか、2016年1月から追加的に導入されたマイナス金利を機に呼ばれ始めたものである。実に政策金利の引き上げは、17年振りであり、金融政策がこれから正常化されることとして話題である。
今回日銀が金利政策の大きな転換に踏み切れたのは、賃金上昇を伴う2%の物価安定目標の達成が見通せる状況になったと判断した部分が大きい。この政策の最大の狙いが「金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと逆に金利を支払うようにすることで、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促し、経済活性化とデフレ脱却を目指す(*SMBC証券会社参考)」ため、日銀はこの先マイナス金利政策を続ける必要がないと判断したと考えられる。
マイナス金利について確認できたところで、私が学んだ不動産学の観点では政策解除が不動産市場にどのような影響を与えるかについて考えたい。私はマイナス金利解除が不動産市場に致命的な打撃を与えるとは思わない。ゼロ金利政策とマイナス金利政策下において不動産業界は融資先として最高の環境であった。東京23区の新築マンション価格は、低金利などの影響で、直近10年で約7割上昇している(**ニッセイ基礎研究所)ため、金融緩和政策の正常化が不動産市場の低迷につながると考察することも可能ではある。しかし、今回の政策転換が「デフレ脱却の達成見通し」に基づくとのことで、私は金融緩和政策の正常化が不動産市場低迷につながらないと考える。























