不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編220 「賃貸人たる地位の移転」と似て非なる規定は?
住宅新報 2024年10月1日 号 19面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回の短期賃貸借の規定(民法602条)の改正のような、一般にはあまり知られていない規定の改正はほかにもあるのでしょうか。
A.あると思います。たとえば、民法539条の2の「契約上の地位の移転」という見出しの新設規定です。
この規定は、賃貸借における「賃貸人たる地位の移転」という見出しで定められている規定(民法605条の2)とは似て非なる規定で、「契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合に、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移転する」と定められている規定です。つまり、賃貸借における「賃貸人たる地位の移転」の規定においては、賃借人が賃貸借の「対抗要件」を備えている場合に、その賃貸物件が譲渡されたときは、その「賃貸人たる地位」が自動的に譲受人に移転するというものですが(民法605条の2(1))、この「契約上の地位の移転」の規定の方は、「契約上の地位」が第三者に移転するには、その契約している相手方の「承諾」がなければならない点が異なっています。






















