不動産取引現場での意外な誤解 売買編224 仮差押、仮処分の登記後でも売却は可能か?
住宅新報 2024年10月29日 号 11面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回は、仮差押と仮処分の違いに触れましたが、両者の共通点は、いずれも債務者の物件の売却などによって債権者の権利行使ができなくなることを事前に防止するための保全措置ということでした。しかし、このような保全のための登記がされていても、条件次第では売却は可能ではないでしょうか。
A.その通りです。抵当権の登記やその他の差押えの登記があっても可能であるように、仮差押や仮処分の登記がされている物件であっても、条件のいかんによっては売却は可能です。特に、「仮差押」の場合には、その仮差押を解除するためのいわゆる「仮差押解放金」を裁判所に納付すれば解除が可能となるからです(民事保全法22条)。
しかし、「仮処分」の登記がされている物件については、その売却によって当事者間の紛争が解決できるという特別な条件がそろっていない限り、かなり難しいと言わざるを得ません。なぜならば、「処分禁止の仮処分」の登記がされるケースというのは、その物件自体の所有権についての帰属が裁判で争われていることが多いので、一概には「売却は可能です」とは言えないからです。























