不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第32回 価格高騰解決の難しさと共に ハワイ独自の建築工法を知る
住宅新報 2024年12月24日 号 7面
9月上旬に、ハワイ・オアフ島で約1週間の研修を受け、住宅価格高騰とその解決の難しさ、「ハワイならではの建物」について、関心を持った。
ハワイはアメリカ全州と比較しても他を寄せ付けないほど住宅価格が上昇している。原因の1つは「需要に対する供給が追い付いていない」ことだ。それでは「家を建てる」ことが解決策かというと、ハワイの建築規制はとても厳しく、家を建てるのが容易ではない。その一つが土地利用規制だ。ワイキキ周辺では建物に波が打ち寄せ砂浜が削られることもあり、海岸沿いの規制として「ハワイ特別管理区域」が敷かれるようになった。また、ゾーニングも、ハワイ州では4つに分けることが基本だが、ホノルルでは約35種類に分けられている。つまり、ハワイ特別管理区域と細かいゾーニングを重ねると、土地利用の範囲や条件が限られ容易に家を建てられない。更に「建築許可を得るのに時間がかかる」ことも、解決を難しくしている。昔は1日で許可が出ることもあったが、現在は約1年半近くもかかるという。住宅価格高騰に対する「家を建てる」という解決策は、利用可能な土地が限られている上に、物件の建設自体にも時間を要する点から実行が難しいと分かった。
他方、「ハワイならではの建物の特徴」について現地で尋ねたところ「シングルウォール住宅」について知ることができた。柱で二階や屋根を支えるのは日本の木造軸組工法と同じだが、1インチ(約2.5センチ)に満たない1枚の板(シングルウォール)がそのまま外壁と内壁になるのが特徴だ。天然素材で周囲の環境との調和を重視したアジア建築と、開放的な構造で地元の素材に依存していたハワイ先住民のハレ(ハワイ語で家)が影響しあってできたらしい。壁にはレッドウッド、天井にはカネックファイバーボードが使われている。ただ、修理時に上記材料の入手が困難であること、ハリケーン対策を念頭においていないという問題点も浮かび上がった。現在は、断熱材と内壁の層を追加して二重壁(ダブルウォール)にアップグレードされているようだ。























