不動産学の魅力 リゾートマンションから考える 投機的開発を防ぎ、持続可能な社会 明海大学 不動産学部 第54回
住宅新報 2025年6月10日 号 7面
新潟県の湯沢にスキー旅行に行くと、巨大なリゾートマンション群が建ち並んでいる姿が気になる。調べると、1985年から湯沢地区のリゾートマンションブームが起こっている。空前のスキーブームでホテルの予約が取りにくくなり、別荘用マンションの需要が高まった。東京の地価が高騰して採算が合わなくなった開発業者は、地価が安い湯沢町に目を付け、続々とリゾートマンションの開発を進めた。バブル景気が終わり、スキー人口は急激に減少。マンションの利用者が減少し、区分所有者の所在が特定できないこともしばしば生じている。加えて、温水プールなど豪華な共用施設を維持するため管理費等は割高であるが、これを負担できない区分所有者が増加し、管理費等の滞納、更には区分所有権の差し押さえも増加している。湯沢町全体でみれば、ほとんどの管理組合は大きな問題を抱えずに運営されているが、なかには運営困難に陥った管理組合もあるという。
維持管理が適正に行われず、使う予定もない、売れないマンションの維持費を払い続けるくらいなら、解体したほうが良いと思う人もいるのではないか。来年4月に施行予定の区分所有法改正案では、建物解体の合意要件が緩和されている。とはいえ、戸当たり数百万円の費用が掛かるため、滞納者がいるような管理組合が決して簡単に合意できる話ではない。そう考えると、今はまだ健全に維持管理がなされているリゾートマンションでも、この先管理不全に陥る可能性もあるのではないかと、不安になってくる。この対策として、分譲時から解体費用の積み立てる制度の導入や、開発業者による解体費用一部負担の義務化といった法の整備ができないだろうか。
そして湯沢のリゾートマンションを反面教師とするならば、今後は、リゾートに限らず、一時の需要をアテにした短期的な投機目的のマンション開発を防ぎ、持続可能な社会にむけた長期的視点をもった開発がされるべきではないだろうか。もっと言えば、マンションの開発会社はマンションを売りぬけば終わり、ではなく、開発した地域の持続可能性に対して社会的責任を持つビジネスモデルを確立する必要があると考える。開発を許可する行政も責任を持つべきだ。売り抜いてしまえばあとは区分所有者や地域の責任、というのはあまりにも身勝手に思える。























