不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第102回 駅前再開発ビルにみる低層部用途の変化 高齢者多く福祉施設が充実
住宅新報 2026年6月2日 号 7面
私の地元である岐阜は、都会の大学に通う私の同級生には田舎の印象を持たれている。しかしJR岐阜駅周辺では近年再開発ビル数棟が建ち並ぶようになった。その1つ、「岐阜シティ・タワー43」は再開発による最初の超高層ビルである。最上階の43階は展望ロビー、15階から42階までが分譲マンション、6階~14階までは高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)、4階は地元テレビ局、3階は福祉・医療施設、2階は飲食・物販フロア、1階は地元の大手学習塾。ふだん立ち寄ることはほとんど無いが、帰省の際に立ち寄り建物内部の状況を観察した。
2階は30区画のうち、5~6区画が空きテナントとなっていた。自販機置場、広告、ベンチなどが置かれ、目的の分からない空間になっていることが、新しいテナントが期待されていないことを物語っている。この2階部分と岐阜駅はペデストリアンデッキで直結しており、利便性はとても高いはず。時間にもよるのかもしれないが、商業施設としては閑散としている印象を受けた。東京の駅直結再開発ビルであれば、低層階の商業施設は華やかににぎわっているイメージがある。地方都市の再開発ビルは、外観は東京と同じでも、内部まで同じにはならない。
一方、3階の福祉・医療フロアにいくと、診療所や看護ステーション等が充実しており、高齢者が多いことに驚いた。更に驚いたのは、「ふれあい食堂」と廊下を挟んだ向かい側に、上階の高優賃に直結する小さなエレベーターホールが設置されており、ふれあい食堂の職員が配膳ワゴンを押してこのエントランスに入っていったことである。これらは外観からはとても想像できないものであった。高齢化社会の影響を受けて、再開発ビルのテナント部分の様相がこんなふうに変化していくことを興味深く感じた。























