豪住宅取得力に逆風鮮明 ムーディーズ、RMBSの新規貸出に警戒感

ムーディーズ・レーティングスは4月1日、豪州の住宅ローン担保証券(RMBS)に関するリポートを公表し、追加利上げと住宅価格の高止まりを背景に、2026年の住宅取得能力が一段と悪化するとの見通しを示した。新規住宅ローンの返済負担が家計を圧迫し、延滞やデフォルトの増加を通じてRMBSの信用面に逆風になると指摘した。
リポートによれば、平均的な新規住宅ローンの毎月返済額が家計の可処分所得に占める割合を住宅取得能力の指標としている。26年3月時点の豪州全体の水準は29.6%と、25年12月の28.6%から悪化。主要都市ではシドニーが40.4%と最も高く、ブリスベンも31.7%に達した。25年にいったん改善した取得環境は再び悪化局面に入ったとみている。
背景には、インフレ再燃に伴う金融引き締めがある。豪準備銀行(RBA)は26年2月と3月にそれぞれ0.25ポイント利上げし、政策金利を4.1%へ引き上げた。年内の追加利上げ観測もあり、借入負担はさらに重くなる可能性がある。
もっとも、住宅市場そのものは大きく崩れにくいとの見方も示した。移民流入に伴う人口増加が続く一方、新築住宅の供給は低迷し、高い建設コストも着工の重荷となっているためだ。政府の住宅取得支援策の拡充で初回取得者向け融資は増えているが、この層は高い借入比率のローンを利用しやすく、金利上昇の影響を受けやすい。賃貸市場のひっ迫も住宅需要を支えるが、投資家需要は金利上昇で徐々に鈍化するとみられる。ムーディーズは、供給不足と人口増で価格が下がりにくい半面、金融引き締めで返済負担が重くなる「二重苦」が強まり、今後の信用リスクを左右する重要な要因になるとみている。























