「新刊」 前川雅之著 『中小ビル経営勝利への戦略』 危機感持ったオーナーの取り組み
住宅新報 2012年6月19日 号 3面

『中小ビル経営勝利への戦略』
副題は「満室稼働の決め手はこれだ」。バブル経済崩壊で不動産価格は暴落し、それまで下がることはなかったオフィス賃料や住宅家賃も遅れて、初めて下落基調に転じる。土地神話の崩壊である。それは一方で、それまで企業や個人、更に公的セクターに抱きかかえられていた土地の放出を促し、一極集中と呼ばれた東京に大再開発ブームをもたらす。再開発でオフィスの新規供給が大量発生する。その象徴が「2003年問題」だった。
初めて経験する経済社会、事業環境の変化にかつて「まちの旦那衆」ともいわれた中小ビルを1棟から数棟所有・経営してきたオーナーたちは危機感を強めた。東京ビルヂング協会会員には三菱地所を筆頭にした大会社が名を連ねる一方で、日本橋や虎ノ門といった古くからのビジネス街などで中小規模ビルを運営し、地域活性化の役割を担ってきた地域企業も多い。2代目経営者に代替わりが進む。「手をこまねいては、大変革の波に呑みこまれるのではないか」と。
その代表が東山興業の猪俣徳臣社長と虎ノ門実業会館の河村守康代表取締役。旗振り役として働きかけて、協会内に中小ビル経営者研究会を立ち上げる。中小ビルの経営はどうあるべきか、大手のビルに負けないための研究や検討が始まる。
























