不動産取引現場での意外な誤解 売買編(44) 契約違反があればどんな違反でも契約解除が認められるか?
住宅新報 2012年7月17日 号 6面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 契約解除の話が出ていましたが、例えば、売買契約書に、「契約違反があったときは、その相手方はこの売買契約を解除することができる」という条項が定められていた場合、違反された相手方は、その違反行為がどのようなものであっても、契約を解除することができるのですか。
A 契約を解除するには、その違反事実が契約の解除事由として売買契約書に具体的に定められているとか、それなりの違反事実がないとできません。その違反事実が、債務の履行に付随する行為であるとか、その準備のための行為であるというような場合には、同じ契約違反であっても、よほど重大な契約違反でない限り、契約の解除は認められません。例えば、売主が引き渡しの前日までに建物内の家財道具をすべて搬出することになっていたのに、家財道具の一部がまだ残っているとか、庭の樹木を何本か残すことになっていたのに、全部を搬出してしまったというような付随義務違反の場合などは、まず契約の解除は認められないと思います。建物の中に家財道具が残っていても、物件の引き渡しはできるし、所有権の移転登記の申請はできるからであり、庭に樹木が残っていなくても、あとから植樹したり、金銭での賠償が容易にできます。
それに、特に「履行遅滞」の場合には、事前に「履行の催告」というものをしたうえでないと、契約を解除することはできませんので、単に履行期に履行がないからといって、それだけで契約の解除ができるわけではありませんので、注意が必要です。






















