省エネ住宅にこそパッシブな発想を(下) 建て替え・リフォーム特集 集熱、蓄熱、断熱に効果 多様なパッシブソーラー
住宅新報 2013年3月19日 号 13面
ここまでは基本的な自然力の利用についてふれてきましたが、この考え方をさらに進めたパッシブシステムが存在します。それは日射熱の利用です。冬でも窓から直射光が差すと、暖房なしで過ごせるほど部屋が暖まりますが、この暖かさは日が沈むと急激になくなります。この暖かな熱を夜までとっておいて有効利用しようということで、いろいろな方法が編み出されてきました。総称して「パッシブソーラーシステム」と呼ばれますが、どのシステムにも共通しているのが、日射熱を「取り込む(集熱)」「ため込む(蓄熱)」「逃さない(断熱)」の三つの柱から成り立っている点です。
まず「集熱」、すなわち日射熱を取り込むのは大きなガラス面や屋根です。ただガラス面は室内の熱が逃げる場所ともなるため、複層ガラスにしたり夜は雨戸や厚手のカーテンをしめるなど断熱性能を高める工夫が必要です。次は、熱をため込む「蓄熱」です。どんな物質でも熱をため込む性能を持っており、ため込む能力が高い物質ほど暖まりにくく冷えにくい特徴を持ちます。この能力がとても高いのが水ですが、住宅では土やコンクリートが蓄熱材としてよく使われます。なお誤って夏場に蓄熱材に熱をため込むと今度は冷えにくいためにいつまでも部屋が涼しくならないので、夏は直射光が蓄熱面に当たらないようにしなければなりません。三つめの柱が「断熱」です。昼間しか取れない日射エネルギーを、少しでも逃げないようにすることが大切です。
この「集熱」と「蓄熱」の仕方によっていろいろな方法が考えられますが、代表例を四つあげましょう。まず、窓からの日射熱をそのまま床に蓄熱する「ダイレクトゲイン」(図(3)・写真(2))、日射熱を壁に蓄熱する「トロンプ壁」(図(4))、居室の南側にもう一つ温室のようなガラス張りの部屋を設けたのが「サンルーム型」です(図(5)・写真(3))。また、屋根面で暖められた空気を床下に送り蓄熱するのが「OMソーラー」です(図(6))。


















