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プレミアム会員限定点検 不動産投資 宮城大学事業構想学部教授 田辺信之 第64回シリーズ「Jリート市場」〈総括・前半〉 本来の成長軌道に回帰 本格的な分配金増加は来年以降

住宅新報 2013年8月27日 号 5面

連載: 点検 不動産投資

マンション・開発・経営
宮城大学事業構想学部教授 田辺信之

宮城大学事業構想学部教授 田辺信之

 点検不動産投資第64回目の「Jリート市場」シリーズは、これまでの有識者、実務家インタビューを踏まえて、Jリート市場を総括します<前半>。このインタビューを実施している間にも、リート市況は大きく変動しました。そこで、前半ではインタビューを参考に最近のリート市場の値動きの要因などを振り返り、後半で市場の見通しや今後の課題を取り上げることにします。

 Jリートの市況を示す東証リート指数は、日銀の継続的な投資口の買入、制度改正、リートの自助努力などによって、年初に1100ポイント台にまで回復しました。1年間で、約30%の上昇でしたから、上昇ペースとしては早すぎた感があるかもしれませんが、この時点では、NAV倍率(時価ベースの1株当たり純資産と投資口価格の比率)やイールドスプレッド(リートと国債の投資利回りの差)は、過去の平均水準に戻ったにすぎませんでした。すなわち、投資口価格の絶対水準が上がりすぎたというわけではなく、08年に起きた世界的な金融危機の影響で、実力以下の評価となった投資口価格が、適正水準の範囲内に入ってきたプロセスであったと言うことができます。

 その後、アベノミクス効果もあって、1月から3月にかけて投資口価格の上昇スピードは加速度を増し、3月27日には年初来の最高価格1700.91ポイントにまで上昇しました。わずか2カ月で50%近く上昇したことになります。この上昇スピードは、明らかに行き過ぎでした。この当時、不動産賃貸市場、特にその中でもボリュームの大きいオフィスビル市場の市況は徐々回復に向かいつつありました。オフィスビルの空室率は低下し、それまで下落が続いていた賃料の下落にも歯止めがかかりつつあったのです。多くの投資家が「もう暫くすれば、オフィスビルの賃料が反転上昇に向かい、リートの分配金も増えるだろう」と予想していました。ところが、分配金の増加はまだ先の話ですから、分配金の上昇に先行する形で、投資口価格が上昇したのがこの時期であったと言えるでしょう。

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