紙上ブログ 不動産屋の独り言228 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「神戸地裁尼崎支部の自殺物件判決」 「知らなかった」では済まない
住宅新報 2013年11月26日 号 6面
先日、前入居者の自殺の事実を告げられずに部屋を契約した男性が、後に近所の人からその事実を告げられ「説明義務違反」だとして家主を訴えていた神戸地裁尼崎支部の裁判の判決で、家主に対し賃料や慰謝料など計約104万円の支払いが命じられたという。まあ、妥当な判決ではあるんだろう。
被告は弁護士
この裁判では、珍しいことに仲介(管理)業者は被告にはなっていない。家主である弁護士は平成23年5月2日、尼崎市内のマンション一室を競売で取得し、その直後に入居者の女性が自殺したようだ。昨年8月、この事実を説明せずに男性と賃貸契約を結んだ際に、不動産会社が仲介していたかどうかは定かではない。間に業者が入っていたなら重要事項説明義務違反になるハズだから、不動産業者を通さずに直接契約していたのかもしれない。家主は「競売後の手続きは他人に任せていて、自殺の報告を受けないまま部屋の明け渡し手続きを終えた」つまり、「私は知らなかった」と主張しているが、家主は弁護士なんだし、それが通るなら何でも「知らなかった」で許されることになる。そんな言い訳は免罪符にはならないもの、と我々業者も肝に銘じておくべきで、業者ではないにしても、家主もまた応分に入居者に対して責任を負うのは当然である。
























