点検 不動産投資 宮城大学事業構想学部教授 田辺信之 「私募ファンド」シリーズ(9) 機関投資家に応える私募リート 三菱地所投資顧問取締役社長天野雅美氏に聞く
住宅新報 2014年8月26日 号 5面
連載: 点検 不動産投資

天野雅美・三菱地所投資顧問取締役社長
――全体的に私募不動産ファンドの預かり資産は減少傾向にあるようです。
天野氏 12年末の政権交代以降、デフレ脱却を標榜する安倍政権下で将来の経済見通しに明るさが見えてきた中で、不動産売買市場も取引が活発化してきている。また、不動産賃貸マーケットも空室率が減少傾向にあり、今後は賃料水準の反転も見込まれる中、既存の不動産私募ファンドは出口を迎える好機になってきているといえる。当社の運営受託ファンドにおいても、出口時期を見据えてリファイナンスを行った案件が出口を迎えており、結果として当社の預かり資産も減少傾向にあるといえるが、投資家利益を最優先する観点からは喜ばしいことだと考えている。
一方、将来的に預かり資産の減少が見込まれる中で考えられたのが、欧米で先行していた私募リートを我が国にも導入する構想であった。当社が組成した「日本オープンエンド不動産投資法人」(略称=JOE)は、投資法人スキームを利用した運用期間が無期限のオープンエンド型非上場私募リートである。非上場とすることで、不動産ファンダメンタルズ以外の様々な要因により変動する可能性のある資本市場の影響を直接受けることなく、現物不動産投資に類似した形で、中長期的な投資期間にわたりリターンを享受することが可能になり、また、オープンエンド型とすることや投資家間での投資口の売買の仕組みを備えることにより、投資口について一定の流動性を確保している。






















