このことだけは関心がある、だから、そのことに関しては本当に今、世界で何が起こっているのかを知りたい――。そういう切なるテーマがあれば、それに照準を合わせることで、情報が氾濫する現代にあっても溺れずに済むのではないか。
一つのテーマに的を絞り、あらゆるメディアから情報を取捨選択する努力を続けていれば、それらの情報をより深く理解するための『知識』も身に付くのではないか。いや、あまり信じたくはないことだが悪意にも欺瞞にも作為にさえも満ちた現代の情報社会で、一人の人間としてまっとうな人生を送ろうと思うなら、そのように自らの情報入手口を己の関心事で絞り、それを精査していく営みがむしろ欠かせない。そうでもしなければ結局は何一つ、ものごとの正否を己で判断するという知的作業はなしえないだろう。
ただ、国民の一人ひとりがそのように己の関心事を絞り、閉鎖的に生きてしまうことは、決して望むべき社会ではない。では今の日本において多くの大人が共有しているテーマとは何だろうか。


















