民法改正のポイント ――早い情報が実務で生きる 渡邉不動産取引法実務研究所 代表渡邉秀男【19】 債権編(15) 賃貸借――契約終了時の借主の義務
住宅新報 2015年8月18日 号 10面
連載: 民法改正のポイント
Q 前回、「賃借人が賃借物を受け取った後にこれに付属させた物」については、借主に収去の権利があると書いてありましたが、これは貸主の側から見れば、借主には収去の義務があるということになると思います。付属物の収去は権利なのですか、それとも義務なのですか。
A これは権利でもあり、義務でもあるということです。ただ、貸主の例から見れば、その借主が付属させた物が、自分の物であろうと他人の物であろうと、収去してもらわなければならないのが大原則でしょうから、まずはそれを前提として、「ただし、分離できない物とか過分の費用を要する物については、この限りでない」ということで、その例外を定めたということです。しかし一方で、借主の側から見れば、それが重要な物であるとか、他でも使うというような物であれば、それを「収去する権利がある」ということで、それを収去し、他に転用することもできるということです。借主の義務を前提としつつ、借主の裁量でどのようにでもできるというところにこの規定の工夫の跡が見えるのです。
Q そうすると、もしその付属させた物が他人の物で、その付属物が取り外せないということで、貸主がそれを置いていけと言ったときはどうなるのでしょうか。























