住まいは 長寿を支えるか ■10 地域との絆を求めて
住宅新報 2016年10月25日 号 13面
連載: 住まいは長寿を支えるか
かつて、直木賞作家の常盤新平氏(故人)は、「昔ながらの心落ち着く喫茶店と、昼間から堂々と酒が飲める蕎麦屋と、床屋談義のできる床屋がないまちは、まちではない」という趣旨のことを言っていた。13年に81歳で亡くなったが、晩年は訪れる人も、自分から連絡すべき人も少なくなって、無聊を慰めている様子が当時の著作から窺えた。
小説家として直木賞を受賞したほどの人でも、高齢になり、仕事の量が減り、社会との接触が薄れていけば徐々に気力も体力も衰えていく。
普通の人生を送ってきたサラリーマンが定年を迎え何もすることがなくなると、うつ病になりやすいという話も納得がいく。特に、そうした危険性が高いのは一人暮らしの男性高齢者だ。日本には現在一人暮らしをしている高齢者(65歳以上)が約600万人いるが、うち190万人が男性である。

















