庶事 万感 ◇12 〝QOL〟が問われる理由 現役時代よりも多い〝総休日数〟
住宅新報 2017年10月31日 号 11面
連載: 庶事 万感
認知症患者の急増は日本人の平均寿命が延びたことが要因の一つである。その変遷をみると、縄文時代はわずか14~15歳と短かったらしい。江戸時代は30歳前後といわれる。明治時代(中期)は男性42.8歳、女性44.3歳、昭和22年は男性50.6歳、女性53.96歳、平成20年には男性79.3歳、女性86.1歳だった。そして平成28年は男性80.98歳、女性87.14歳である。 特に戦後の急激な伸びには驚かされる。「認知症は体の寿命に脳の寿命が追いついていないために起こる現象」という説にもうなずける。
医療技術の進歩で、多くの病気は治せる時代になった。脳の研究も日進月歩というから、いずれは不治の病といわれた認知症を克服できる日が来るのではないか。遅くとも10年以内という観測もある。
そうなると〝老いる〟という概念が覆されるかもしれない。「体力が衰え、気力が萎え、物事への関心も欲も薄れ、やがては病を得て寝たきりとなり、朦朧とした意識の中で死んでいく」というのが従来のイメージ。

















