裁判によらず、当事者同士の話し合いによってトラブルを解決するADR(裁判外紛争解決手続)。そもそもADRとはAlternative Dispute Resolutionの頭文字をとったものであり、「より当事者の求める形」でのトラブルの解決を図るためにつくられた制度である。
その特徴であると共に通常の裁判との違いは、「当事者間の自由な意思と努力に基づいて紛争の解決を目指す」ということ。これによって、裁判に比べて、簡易・低廉・柔軟さをもったトラブル解決が可能になる。また、トラブルが発生した際に「覚悟を決めて裁判を起こす」もしくは「面倒ごとは嫌なので泣き寝入りをする」という両極端な二択の中間的な判断として「まずは話し合いによる解決を目指す」という選択肢を消費者がとることができる。
これは消費者のみならず、不動産・建築事業者にとっても有益な制度であるといえる。例えば、「時間も費用もかかる裁判までは起こす気のないトラブルの当事者」は、各種取引の仲介等を行った不動産事業者にクレームを入れるのが常であった。不動産事業者は両当事者の異なる見解の板挟みになり、解決の糸口を見いだせずに、その対応によって時間を浪費し、心労を積み重ねていく。ここで、ADRという話し合いによる具体的な解決策を提案することは非常に前向きなことであるだろう。また、建築事業者にとっても自社の施工内容などに対するクレームを円滑に処理することのできる有効な手段になる。
























