「裁判外紛争解決」という難解な言葉の響きからすると、ADRは、何か特別な新しい手続きのように思われがちです。ここで「裁判外」という大仰な言葉が使われてはいますが、考えてみるに、私的自治の原則の下で「自分たちのトラブルを自分たちで解決する」というのは至極当然の姿勢であって、むしろどうしてもそれが困難な時に、あくまで例外的に裁判所が紛争解決機関としての役割を果たしているに過ぎません。
すなわち「裁判外」とは言いつつも、当事者間の自由な意思と努力に基づいて紛争解決を目指すADRは、裁判に先行する紛争解決の原則的な姿なのです。裁判という煩雑かつ強硬な手続きに移る前に、まずはできるだけ当事者による主体的かつ柔軟な解決を模索する。それこそがADRなのです。
ADRは、煩雑・強硬で時間の掛かる裁判とは異なり、何と言っても簡易・柔軟・迅速であることに特徴があります。法律論を振りかざして真実の究明に向かうのであれば裁判を選択すべきであって、あえてそれを避けて選ばれた「簡単な手続き」がADRなのです。「紛争を簡単に、かつ手早く解決する」ことにその本質があります。
























