近代的な「プラニング(間取り)」という考え方は、ルネッサンス以降とされています。もちろんこれは庶民の住処レベルではなく、王侯貴族の邸宅についてですが、それでもルネッサンス以前は儀式や祭事、政治を行うための建築物が主体であり、プラニングへの意識を見出すことはできませんでした。また、建築家という職能は確立しておらず、建築は画家などが描く絵図や立面図をもとに、石工や大工などの職人が建築物を造っていました。
西欧建築史上始めて平面図を基に建築することを行ったのはアンドレア・パラディオとされています。パラディオはルネッサンス期のイタリアに生まれた建築家で、主にベネチアやその近郊都市であるヴィツェンツァで活躍しました。
近代的思考で裏打ち パラディオは古代ローマの建築や遺跡・古典建築に関する文書を研究し、その研究から導き出された端正厳格な古典的装いをもって、数多くの作品を残しています。中でも有名な作品はヴィツェンツァのバシリカ(市庁舎)、ロトンダ(別荘)、テアトロオリンピコ(劇場)、ヴィラ・バルバロ(別荘)などです。いずれも古典的な装いを見せてはいますが、それらが旧来の古典建築と決定的に異なるのは、近代的な思考によって裏打ちされている点です。現在の我々が合理的、機能的、目的的と考える建築的な出発点を持っているのがパラディオ作品の大きな特徴です。
























