幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 58/100 住まいは時代の鏡 日本人の心をどう映すか
住宅新報 2019年9月3日 号 13面
連載: 幸福論的「住宅論」

住まいはその時代を映す鏡である。と同時に、そこに住む人の心を映す奥深い場所でもある
「住まいは人なり」と吉田兼好は言ったが(『徒然草』第十段)、すべての住まいがそこに住む人の人柄を偲ばせると言ったわけではない。「住んでいる人の人柄がなんとなく伝わってきたり、住んでいる人にいかにも似つかわしいなあと思える住まいほど風情があって興味を引かれるものはない」と言ったのである。 とはいえ、日本人独特の感性が、住まいというハードを見て、そこで暮らす主(あるじ)の人柄や心情を汲み取るセンスを育んできたことは間違いない。その命脈は現代の住宅にも受け継がれている。
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ITなどの技術革新による時代の変化を察知し、〝住まいのありかたを変える〟というのが、昨今の住宅メーカーやマンションディベロッパーのミッション(使命)となりつつあるように感じる。住まいが人の暮らしやその考え方と密接に関わるものである以上、それは当然とも言える。 たとえば、現代の住まいの多くがスマート化やIoT、AI化などを進め、省エネ・省力化(家事)、セキュリティやアメニティなどの推進を図っているのは、現代人の多くが利便性、機能性、快適性などの追求に強い関心を抱いているからである。

















