大岡昇平の小説『武蔵野夫人』には「ハケ」についての描写が出てきます。ハケとは、崖地形、丘陵、山地の段差部を表す古語です。国分寺崖線(がいせん)や立川崖線など、武蔵野台地の崖線を解説する際にもよく聞かれます。また、ハケは「まま」「のげ」とも呼ばれ大間々、野毛などの地名も、崖線に由来した地名と考えられます。江戸時代の農村部ではハケの上を畑地にして野菜や根菜をつくり、ハケ下部の平地部分は崖から豊富な地下水が湧くので、水田に利用していました。ハケ上部の各所には集落ができ、それらを結ぶ道は「ハケ道」と呼ばれました。
ハケは崖線部分を指しますが、地形全体は河岸段丘(かがんだんきゅう・以下段丘)と言います。段丘は、河川の中・下流域に流路に沿って発達する階段状の地形で、古い時代に隆起した台地に水路が生まれ、長い間に水流によって、谷状の段丘が生まれます。信濃川(新潟県中魚沼郡津南町)に見られるような何段にもわたる巨大な段丘もあります。このようなケースでは平坦な部分と傾斜が急な崖とが交互に現れ、平坦な部分を段丘面、急崖部分を段丘崖(だんきゅうがい)と呼び、段丘面は地下水面が低く、段丘崖の下には湧水が出ていることが少なくありません。
今回、大きな被害をもたらした台風19号ですが、マスコミなどの話題として「セレブの街・世田谷で床上浸水」がありました。台風19号は10月12日の21時頃にピークを迎えました。筆者は近くに住んでいるので18時頃から防災警報が頻繁にスマホへ届くようになり、20時頃には警戒レベル5が発令されていました。
























