ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 97 日本不動産仲裁機構 シックハウスに関するトラブル事例
住宅新報 2019年12月17日 号 10面
連載: ADRの現場から
新築やリフォーム、引っ越しを契機に「建物内にいると頭痛がする」「セキが止まらなくなる」「湿疹が出る」等を引き起こすシックハウス症候群。厚生労働省では、現在でも順次、化学物質の空気濃度指針値や測定方法等に関する検討会が行われており、シックハウスを防止する目的のガイドラインが発表されています。最近では、17年に水性塗料の溶剤に使用されている「テキサノール」など3種類の科学物質の指針値が設定されました。つまり、シックハウスはまだまだその原因や対策方法が完全に分かっているわけではないのです。そしてその不確定さゆえに、トラブルもなくなることなく発生しています。
さらに、トラブルが発生して裁判を起こしたとしても、現状では、建築基準法に則って建築された物件である場合、たとえシックハウス症候群を発症しても、裁判において住んでいる側が勝つのは難しいケースもあるのです。
事例を紹介します。分譲住宅を購入したA氏は、妻が「頭痛・めまい・湿疹」の症状で体調を崩したため、病院を受診しました。しかし原因が不明であり、医師に症状発症までの経緯を伝えると、シックハウス症候群が疑われるとのことでした。























