ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 108 日本不動産仲裁機構 DIY賃貸の運用には要注意
住宅新報 2020年3月10日 号 8面
連載: ADRの現場から
賃貸物件においては、物件に傷をつけるような行為をしてはいけません。ペンキを塗ったりするのはもちろん、壁に画鋲を刺すことにさえ気を遣うものです。したがって、一般的な物件においてはDIY(自らの手で日曜大工などを行うこと)を楽しむことはできません。仮に、様々なDIYを行っても、退去の際には元通りに原状回復をしなければなりません。しかし、最近では「DIY賃貸物件」というものが登場してきています。これは賃貸物件でありながら、入居者がDIYをすることのできる物件を指します。例えば、「壁については釘穴を空けても問題なし」など、範囲を限定して原状回復義務を免除しているため、修繕費用の負担を気にせずカスタマイズが可能なのです。
若い世代において人気であり、更なる普及が想定されるDIY賃貸ですが、これに関するトラブルも想定されます。例えば、「入居者が手を加えてよい範囲はどこまでなのか」、「どのラインから原状回復の責任範疇となるのか」などをしっかりと契約時に決めておかなければ、退去時にトラブルとなってしまう可能性があるということです。
国土交通省もDIY賃貸に伴うトラブルを想定しており、14年に「借主負担DIYの賃貸借」という、DIY賃貸における各種ルールの指針を出しています。これによると、(1)貸主は原則として、入居前や入居中の修繕義務を負わない、(2)借主が自己負担で修繕や模様替えを行い、その箇所については退去時に原状回復義務を負わない、(3)賃料は市場相場よりも安く設定される――などが定められています。






















