幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 ◆100 宇宙にひそむ何か モノと生きる気構え
住宅新報 2020年7月14日 号 11面
連載: 幸福論的「住宅論」

ハイビスカスの花にも宇宙は宿る。住まいにとって重要なファクターは広さではない。住み手となる主(あるじ)がそこに座して、宇宙の何を感じるかである。
「モノにあふれた時代」という表現がある。確かに、都会は人間が造り出した人工物ばかりだから息が詰まる。ふとしたときなど、コロナではないが、息がしづらくなることさえある。
しかし、同じモノでも、形のよい庭石など自然が造り出したものであれば逆に心を慰めてくれる。不思議なのは、同じように人間が造った人工物なのに、器や家具、置時計といった身の回りにあるモノの中には、妙に心を落ち着かせてくれるものもあるという事実だ。
それに、例えばだが、画家が渾身の情熱を込めて描いた絵は、果たして「モノ」といえるのだろうか。

















