ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 155 賃貸オーナーからの相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年3月2日 号 8面
連載: ADRの現場から
今回は、賃貸オーナーからの相談事例を紹介します。
まずは、契約通りに入居者から家賃を支払ってもらえないオーナーA氏です。ある入居者が「隣の入居者が騒いでうるさいから何とかしてほしい」と依頼をされたので対処をしたのですが、「対処の仕方が悪いので契約通りの賃料を支払うことはできない」と言われ、7万円の賃料のところ、5万円しか入金されませんでした。A氏が改めて騒いでいたとされる隣の入居者に事情を聞いたところ、以前に注意されてからは騒がないよう気をつけているとのことであり、人物的にも問題があるとは感じられませんでした。一方、家賃を支払ってくれない入居者は、平素から人格的に難があると思われ、何か気に障ることがあると、夜中でも「今から何とかしてほしい」と言ってくるような人物でした。結局、通常よりも2万円少ない入金が3カ月続いてしまい、A氏はまずは話し合いから始めてこのトラブルを解決したいと考えていました。
次に、原状回復費用を支払ってもらえないオーナーB氏です。ある時、退去する入居者の立ち合い時刻を設定していたのですが、B氏はこれを失念してしまっていました。B氏は謝罪し、入居者はそのまま退去したのですが、後日、B氏が部屋の確認をしたところ、明らかに入居者の過失による損傷がありました。この損傷を直すには約20万円の費用がかかってしまうため、預かっていた敷金では足りず、費用を支払ってほしい旨をB氏が伝えたところ、元入居者はそれを拒否。「退去時に一緒に立ち会っていれば、その損傷について説明ができたのに、B氏が立ち合いに現れなかったのが悪い。新生活で忙しいからもう連絡をしてこないでほしい」とも言われてしまいました。B氏は、自分が連絡をとるのはもう難しいと考え、第三者の介入を希望し、ADRによる解決を考えたのです。























