ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 162 サブリースに関する相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年4月20日 号 9面
連載: ADRの現場から
2020年6月、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が可決成立し、同年12月、その一部が施行され、21年6月に全て施行される予定です。なお、賃貸住宅管理業法の概要をまとめると、次のような内容になります。(1)オーナーが判断するための事項について事実の不告知や、事実でない説明をする等の不当な勧誘行為を禁止。また、マスターリース契約の締結前に家賃や契約期間等を記載した書面を交付し、重要事項説明を義務付けます。(2)不良業者の排除のため、賃貸住宅管理業者の国への登録義務制度が導入されます。ただし、登録義務は全事業者でなく一定の規模以上が対象。つまり、今なお頻繁に発生しているオーナーと事業者間のサブリーストラブルを未然に防ぐための法律である、とも理解されます。今回は、改めてサブリーストラブルに関する相談事例を紹介いたします。
まずは、家賃減額請求をされたA氏です。賃貸物件が築7年を迎えたころから大手サブリース事業者から家賃の減額請求がはじまりました。当初は30年借り上げで10年は家賃保証、その後2年ごとに協議とのことでしたが、主に会社の倒産危機及び相場賃料の下落、更に契約時には説明を聞いてなかった借地借家法を理由に、大幅な家賃減額請求をされてしまいました。
それまでも、ネット料金負担や温水便座設置費用負担等に協力をしており、いい加減、「言われるがまま」でいることに疑問を感じたため、しっかりと話し合いをしたいと考えていました。しかし、A氏にはサブリースに関する業務知識や法律知識がなかったため、中立な第三者に立ち会ってもらえるADRを希望したのです。























