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スタンダード会員限定ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 163 オーナーと入居者間の相談事例 日本不動産仲裁機構

住宅新報 2021年4月27日 号 9面

連載: ADRの現場から

資格・実務

 賃貸住宅のオーナーと入居者間のトラブルといえば、「敷金」「原状回復」に関するものが主となっていますが、当然にそれ以外のトラブルも発生しています。今回は、敷金や原状回復以外のトラブル相談事例を紹介します。

 まずは、シェアハウスに住んでいたA氏です。シェアハウスに住んで5カ月目のA氏は、管理会社より、オーナーの都合で2週間後にシェアハウス運営をやめることになったため、それまでに退去して欲しい、とメールで通達を受けました。しかし、A氏はちょうど近隣で仕事が決まったばかりであり、また、2週間という短い期間では次の物件を決めることもできないため、なんとか3カ月後まで退去を待ってもらえないかと打診をしました。すると、オーナー側からは「シェアハウスの他の入居者は全員退去を了承しており、A氏だけが抵抗をしている状況。このままではA氏の『わがまま』のためにオーナーが損害を被るため、A氏を訴えるかもしれない」と言われてしまいました。文中にある「わがまま」という表現に、憤りを感じたA氏は、シェアハウスの賃貸に詳しい第三者同席のもと、本当にA氏の依頼が「わがまま」であるのか、オーナー側と話がしたいと考えていました。

 次は、「退去時の立ち合いをADRの場にしたい」という少々珍しい希望を持っていたB氏です。賃貸住宅に住んでいたB氏は書面で2カ月前に解約通知書も簡易書留で送付をしたのですが、1カ月経っても書類の到着や立ち合いの件の連絡がありません。退去2週間前になってようやく委託先と言われる内装業から立ち合いの連絡があったのですが、その際に「予測原状回復費用」としてまだ物件を見ていないにも関わらず「おおよそ〇〇円以上の原状回復費用を請求します」という連絡がありました。

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