ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 169 事業者の不手際に起因する相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年6月8日 号 9面
連載: ADRの現場から
不動産に関するトラブルは、やはり住まいという商品の提供側と、提供される側である消費者との間で多く発生しています。今回は、その中でも事業者の不手際や不誠実さに起因するトラブル事例を紹介します。
まずは引っ越しが条件で地方での就職が決まっていたA氏です。インターネットで気に入った物件があったため、見学から入居申し込み、その後、不動産会社から大家さんからの審査が通った旨の連絡がありました。当然、ネット掲載の物件もサイトから削除されており、契約できるものと考え、就業先にも新居が決まった旨を伝え、通勤の自転車購入、引っ越し業者への手配等を済ませるなど、新生活に向けた準備を進めていました。
しかし、2週間後、突然不動産会社から「大家さんが身内にその物件を貸したいとのことで、その物件を借りることができなくなってしまった」と電話があり、一方的に解除の通告をされてしまいました。納得ができないA氏は不動産会社にクレームを入れましたが、交渉の余地すらないといった対応でした。A氏は、不動産会社に対して憤りを感じており、謝罪と代替物件の無料での仲介を希望していました。























