ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 199 コロナ第6波、身近に迫る立ち退きトラブル 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2022年2月8日 号 9面
連載: ADRの現場から
22年1月25日現在、東京都における新型ウイルス新規感染者数は1万2千人を超えて最多感染者数を更新しました。オミクロン株が猛威を振るう第6波という事態となっています。これに関し、段違いの新規感染者数を記録し続けているアメリカでは、何百万人もの人々が家賃を滞納しているとのこと。当初は政府によるパンデミックに対する救済措置が取られていましたが、その住宅立ち退きモラトリアム政策が終了し、立ち退きを迫られる人たちも増えてきているようです。
このいわゆる海外の賃貸不動産に関するトラブルは決して人ごとでなく、日本においても発生していることです。コロナ禍によって仕事がなくなったり減少してしまい、家賃が支払えなくなってしまう。当たり前のように起こる流れです。当然、賃貸オーナーとしては賃料を滞納されてしまうと、大きな損失になります。コロナ禍という事情があったとしても、オーナー自身の防衛のためにも立ち退いてもらうしかない、ということが多くあるでしょう。そして、賃貸オーナーから管理を任されている不動産業者も、オーナーと連携して立ち退き交渉をしていかなければならないこともあるでしょう。
まず知っておきたいことは、おおむね3カ月以上の賃料滞納で賃貸借契約を解除して立ち退いてもらうことができるようになる、ということです。これは判例上において賃貸借契約を解除する場合には「信頼関係の破壊」という要件が必要であり、3カ月以上の滞納で賃貸オーナーと入居者の信頼関係が破壊されたと認めるケースが多くなっているからです。そして、ここで問題になるのは、コロナ禍という誰もが予見できず、天災とも呼べる要因によって賃料を滞納してしまった場合でもこれが当てはまるのか、ということです。






















