建物の耐火性を上げる考え方は二通りあります。一つは燃えない材料で造ること、もう一つは可燃物への酸素供給の遮断です。燃えにくい材料として最初に考えられるのがコンクリートですが、例えば住宅レベルで考えると鉄筋コンクリート構造の耐火性は完璧ですが、躯体の重量が重く、場合によっては地盤改良などが必要になります。建築コストの単純比較でも、木構造の約1.8倍程度のコストになります。そこで、耐火構造として多く使われるのが、耐火被覆を施した鉄骨構造とALC版の組み合わせです。
ALC版はコンクリートに発泡剤を混入して膨らませた規格部材の板で、内部には鉄筋のメッシュが挿入され一定の強度を維持しています。素材はコンクリートですので耐火性は抜群であると同時に、内部の独立気泡が高い断熱性を発揮します。鉄骨は燃えることはありませんが熱に弱い材料、すなわち高温にさらされると強度が維持できない素材であるということです。NYの世界貿易センターの崩壊は建築的にもショッキングな事件で、建築構造としての鉄骨のもろさを見せつけられました。鉄骨材は約500℃になると強度が一気に低下します。突入した旅客機による燃料火災は1000℃に達していたといわれています。通常鉄骨材は耐熱材で覆われ、一定時間の火災に耐えられるように施工されていますが旅客機の突入によって耐火被覆は吹き飛び火災の熱が直に構造材を加熱し、崩落が起きたと考えられます。したがって、鉄骨構造では地震→火災発生という状況下でいかに鉄骨に熱が加わらないかを考えておく必要があります。























