ADR相談からみる 事業者のためのトラブル事例 ――傾向と対策 【第9回】落雪に関するトラブル
住宅新報 2024年1月23日 号 9面

1年でも最も寒い季節になってきました。各地でも積雪が増えてきていますが、それに伴い、住宅と積雪に関するトラブルも増えてきます。その一例が、住宅の屋根に設置する太陽光発電に関するトラブルです。太陽光パネルの表面はガラスであるため、瓦やスレート等の屋根材と比較して、積もった雪が滑り落ちやすくなります。滑り落ちやすいということは、落雪の勢いが強くなりやすく、更に通常よりも遠くまで雪が飛んでしまうことにもつながります。したがって、大量に雪が積もった後に落雪してしまうと、思わぬ事故を引き起こしてしまう危険性があるのです。よくあるトラブルとしては、「隣人の車のボンネットがへこんでしまった」、「隣人の植栽を倒してしまった」「落雪が人に当たった(当たりそうになった)」等があります。
実際にあったトラブルをご紹介します。屋根全体に太陽光発電機器の付いた新築の注文戸建て住宅を建てたA氏。住宅を建てた地域は年に1回から2回程度しか雪が降らない場所なのですが、一度大雪が降り、太陽光パネルにも多く積もりました。そしてこの雪が一度に隣地と道路に滑り落ちたのです。
この出来事を知った隣に住むB氏が落雪の危険性を感じ、A氏に「雪止め」の設置を依頼。これを受けてA氏が太陽光発電事業者に雪止め設置について検討してもらったところ、特注のアングル(雪止め)をつくり、数十個設置するという方法を提案されました。思いの外、設置費用がかかってしまうことと、降雪日数も多くないということもあり、A氏は雪止めの設置を中止。しかし、どうしても雪止めを設置して欲しいと願うB氏との間でトラブルとなってしまい、第三者として不動産事業者のC氏が間に入った話し合いによる解決の場が設けられることになりました。























