ADR相談からみる 事業者のためのトラブル事例 ――傾向と対策 【第16回】ADRとは、そしてこれからの形
住宅新報 2024年3月26日 号 11面
連載: ADRの現場から
2018年1月からADRを紹介してきたこの連載も、今回で最終回となります。6年以上に渡るご愛読、誠に有難うございました。心よりお礼申し上げます。最後は、改めてADRについて、その概要とこれからの形についてお伝えしたいと思います。
まずは、ADRについてです。ADRとは「裁判によらず当事者同士の話し合いによってトラブルを解決する手法」であり、それが特徴であると共に通常の裁判との違いは、「和解に向けた話し合いによってトラブルを解決する」ということです。これによってトラブルが発生した際に「覚悟を決めて裁判を起こす」もしくは「面倒ごとは嫌なので泣き寝入りをする」という両極端な二択の中間的な判断として「まずは話し合いによる解決を目指す」という選択肢を取ることができるようになるのです。
もちろん、ADRは消費者のみならず、不動産・建築事業者にとっても有益な制度です。例えば、不動産の買主と売主などの2者間のトラブル相談を受けた事業者は、両当事者の異なる見解の板挟みになり、対応にコストや時間を浪費することも少なくありませんが、ADRという話し合いによる具体的な解決策を提案することは非常に前向きなことであると言えます。建築事業者にとっても自社の施工内容などに対するクレームを円滑に処理することのできる有効な手段になります。






















