ひと 科学的な根拠で対処を 空き家・事故物件の価格・賃料を研究する成城大学経済学部准教授 定行泰甫さん
住宅新報 2024年5月21日 号 2面
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空き家・事故物件を経済的な側面から迫る。住戸内で発生した事故死が当該物件と周辺住宅の取引価格と家賃にどう影響を及ぼすのか。「大島てる掲載物件とレインズのデータを用いて推計した結果がほぼそろった。学術誌に近く投稿する予定だ」と話す。成約物件の価格と賃料に焦点を当て分析したものだが、「周辺住宅の市場滞留期間、つまり空室期間がどれほど長期化するのかなどを含めて近隣の環境への影響も分析を今後進めたい」とする。
『宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン』。国土交通省が21年に公表したが「曖昧な基準で山積していた問題を鑑みれば指針はそれなりに役立つ」と評価する。ただ、「事故物件の受け止め方は人それぞれで違うので告知義務に関する統一ルールを設定すること自体、法律と矛盾している」とも指摘する。そもそも宅建業法は重要な事実を故意に告げない行為を禁じる。「私の研究では事故・事件の住戸のみならず、同じ棟内の他の住戸の取引にも影響が出ていることが科学的に示せた」と述べ、どのようなルールが望ましいのか科学的観点からの検討が必要だと訴える。
空き家は全国900万戸と過去最高を記録。「空き家の周辺住宅への影響は、事故物件と同様の分析手法を用いることが可能だ。東京都豊島区との共同研究では管理不全空き家を解消することで1件当たり年間数十万円の固定資産の増収が見込める」と述べ、他の自治体との共同研究の機会も拡大する予定だ。昨年11月には米国の国際学会で空き家と事故物件の研究の進捗を発表する機会があった。「事故物件に対する認識や生死観が国や文化によって大きく異なる」ことを踏まえて国際学術誌への投稿に向けての論文も執筆中だ。
























