不動産経済かわら版 (6) 利上げとオフィス市場動向 ボルテックス 主席研究員 安田 憲治
住宅新報 2024年9月17日 号 4面

24年、日本銀行は歴史的な政策転換を行い、3月に続く追加の利上げを7月に実施した。短期金利を0.25%へ引き上げ、長期金利に関してはイールドカーブ・コントロール政策の下で、目標範囲の維持を基本としながら適切な調整を行う方針である。24年7月の消費者物価指数は前年同月比で2.8%上昇しており、物価上昇の継続が一つの背景だ。この利上げは、日経平均株価など経済全体に広範な影響を及ぼしているが、特に住宅ローンや消費者金融における影響が注目される一方で、オフィス市場にも重要な影響を与えている。
コリアーズ社のレポートによれば、東京都心5区のグレードAオフィスビルにおいて、24年第1四半期には空室率が4.1%に低下して賃料が上昇し、第2四半期には空室率が5.2%に増加したが依然として低水準を維持しており賃料は1坪当たり3万4224円に上昇を続けている。大手企業や外資系企業が戦略的にオフィススペースを確保し続けていることが背景にあり、高品質なオフィスビルへの投資は依然として活発だ。
利上げの影響で、企業のコスト意識が高まり、シェアオフィスやフレキシブルオフィスの需要も増加している。特に、スタートアップやフリーランスの増加に伴い、都市部の高額賃料を避けるため、柔軟なオフィス形態が選ばれている。ウィーワークやリージャスなどの主要なオペレーターが東京での拠点を拡大し、柔軟なオフィススペースは、今後の企業戦略においてますます重要な役割を果たすと考えられる。























