知って得する建物の豆知識 399 プレカット データ連携で設計変更にも即時対応へ
住宅新報 2025年5月6日 号 9面
連載: 知って得する建物の豆知識
プレカット工法とは、木造住宅の構造材(柱・梁・桁など)を、あらかじめ工場で自動機械によって基準寸法にカットした木材を使い、構造体を架構する技術のことです。木造建築には梁や柱、下地材などに多くの木材が使用されます。木材は線の材料であり、一定の長さで製材されます。線の材料である木材で空間を造るには、材料を接合して組み上げる必要があります。この接合方法で、木材を長手方向に接続する加工を「継ぎ手」と言い、直角方向に接続する加工を「仕口(しぐち)」と言います。プレカットは単純に木材を所定の寸法にカットするだけでなく、仕口や継ぎ手などの複雑な加工を含んだ技術です。
プレカットでは在来木造では200種類近くある木材を数十種類に整理することで部材の無駄をなくし、効率の良い施工を実現しています。また、伝統的な木組みには合理的で強度の高い物もありますが、技だけを競うような接合方法も多く、プレカットでは複雑なだけで、構造的な脆弱さを持つ仕口や継ぎ手を避け、合理的で強度の高い接合部の構成に加え、金物の併用を前提として強度を確保しています。建て方は従来の木造と変わるところはありませんが、標準化された部材や施工方法によって、短期施工が可能です。間取りや設備などは自由に選べますし、その地方独特の建て方にも対応できるため地場のメーカーがプレカットでフレキシビリティーの高い住宅を提供しています。
プレカットの主な工程ですが、建築士が作成した設計図をもとに、プレカット専用のCADで構造材の詳細図を作成します。このCADデータを機械加工用データに変換。このデータに基づいてCNC(コンピュータ数値制御機械)で、柱・梁などを正確にカット、穴あけ、仕口・継手加工します。加工された木材は上棟の日に現場へ搬入します。現在では大工の棟梁が手板に軸組図を起こして木材を加工するなどはほとんど見なくなりました。したがって、腕の良い大工とは新しい製品の性質を良く知っており、精度の高い組み付けができる技術者という認識に変わってきているとも言えます。























