知って得する建物の豆知識 407 樹脂サッシ 住宅ストック改善のキーだが制約も
住宅新報 2025年9月23日 号 9面
連載: 知って得する建物の豆知識
日本の住宅市場において、開口部の断熱性能向上はもはや必須条件となりつつあります。その中で樹脂サッシは、アルミサッシに代わる高性能建材として注目されてきました。ドイツや北欧では普及率が7割を超える国も多く、日本においてもZEHや長期優良住宅、更には省エネ基準適合義務化を背景に採用が拡大しています。
メリットの第一は「断熱性能の優位性」です。樹脂の熱伝導率はアルミの約1000分の1以下であり、ヒートブリッジ(熱橋)を形成しにくい点が最大の強みです。熱貫流率(U値)を比較すると、アルミ単体サッシが6.0W/m2K前後であるのに対し、樹脂サッシはLow-E複層ガラスとの組み合わせで1.5W/m2K以下も実現可能です。開口部からの熱損失を最小化する上で、住宅の外皮平均熱貫流率(UA値)に大きく寄与します。また「結露抑制効果」にも優れています。室内側表面温度が露点温度を下回りにくいため、結露のリスクが低減します。これは単なる快適性の向上に留まらず、内装材や断熱材の劣化防止、カビ・ダニの抑制といった維持管理面にも直結します。特に寒冷地の住宅や高気密住宅では、樹脂サッシの採用は耐久性の確保という観点からも合理的です。
「居住環境の均斉化」も達成しやすいのが樹脂サッシです。開口部の断熱強化は、暖冷房時の不均一な温度分布を是正します。温熱環境の均斉化は、居住者の体感快適性を高めると同時に、ヒートショック防止という健康面の効果も期待されます。これにより、住宅性能表示制度の「温熱環境」における評価向上にも資することができます。























