紙上ブログ 不動産屋の独り言 863 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 それは売主の責任では? リスクまで売るのか
住宅新報 2026年8月18日 号 6面
長い付き合いのお客さんがいる。「今、中古のマンションを買いたいので紹介してほしい」とのことで、自身でもネットで検索して探していて、気になる物件があれば「こんなのどうでしょう」とLINEで連絡をくれる。そのうちの1件が、近所で私もよく知っている物件。以前別のお客さんを賃貸で紹介したこともあるし、価格も手ごろだったが、「現在賃貸中」とある。ということは内見ができない。売主が賃貸に出していて、現在入居中の借主が了解すれば内見できるのだろうが、借主には不特定多数の客にその都度「室内を見せなければならない」という義務はない。
買主負担に限界
売主側の業者に「内見は無理ですか」と聞くと、「外観と間取り図と写真で判断して頂くようですね」とのこと。それだけではない。「気に入って購入することになったら立ち退き交渉は買主のほうでして頂くことになります」と。それだと、もし借主が退去することに納得していなければ明け渡しまで相当な月日が掛かるだろう。立ち退き料もどれだけ掛かるか分からない。それらが買主の負担になる、ということ。おそらくは売買代金より数百万円高くなることだろう。そういうのは売主の責任で済ませておく話ではないのか。代金はもらうがリスクは買主のほうで負ってくれ、は通らないと思う。それで納得する買主などいるものかな、と思う。もしかすると、既にトラブルになっていて、売主も嫌気がさして売却を決意したものか。



















