今週の糸口 住文化育てる土俵を
住宅新報 2012年7月31日 号 11面
連載: 今週の糸口
住文化とは何か、と問われてすぐさま答えられる人は少ない。文化とは、人類が生きてきた意義や証に関するものだとすれば、住文化は「住まいと人の関係から、住んでいる人やその周囲にいる人たちの心を豊かにするもの、または豊かと感じる感性そのもの」と定義してもそれほど大きな間違いではないと思う。
現在のように、住宅の省エネ化など専ら設備面が注目され、耐震性や耐火性など物理的な安全性能が脚光を浴びる時代には、住文化の育成が疎かになるのではないかと危惧する。もっとも、文化とは、わずかここ数年でどうこうなるものでもないのかも知れないが…。ただ「社会の変化が大きい今こそ、住まいの本質を考えるとき」との声は高まっている。
衣食住という言葉がある。人は衣を身にまとえば暖かいと感じ、食すればおいしいと喜ぶように、毎日のことでも家に帰ると、ほっとする思いを抱く。旅先から帰ったときなどはなおさら、「やっぱり家(うち)が一番だね」と感じる。

















