明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第436回 高齢者の安心居住の実現方策 システム導入や他者とのつながりで
住宅新報 2022年5月31日 号 4面
【学生の目】
超高齢社会の本格化や世帯の多様化が進む中、民間賃貸住宅は住宅確保要配慮者に対するセーフティネットの役割も担っている。昨年10月に宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインが策定されたが、不動産会社のアルバイトで孤独死や急死の話を耳にするため、無関心ではいられない。ガイドラインがセーフティネットを強化することを望みたい。しかし、現状は誰もが安心して入居できるわけではない。特に単身高齢者の入居は困難が多い。内閣府の調査(文献1)では、賃借人の26.3%が住宅確保に不安に感じ、借家と持ち家の比較では借家が11.6%高い。高齢期の賃貸を断られるが19.5%と高い。
賃貸人のリスクもある。死亡事故があると原状回復の期間や費用、家賃の減額など、甚大な遺失利益が生じる。中村喜久夫ほか(文献2)は月額賃料5万円の50カ月分相当の250万円のリフォームの費用を家主が負担し、家賃を30%減額した例を紹介している。自らの責に帰すべからざる事由によって生じる損失から自衛するための入居拒絶には一定の合理性もあり、国土交通省(文献3)は、高齢者の入居に約8割が拒否感を示し、70歳前後で断る例が多い。

























