13年勤めた大手ゼネコンを早期退職し、一級建築士の資格を頼りに設計事務所「タクミプランニングサポート」を03年に開業した。設計業務で独立を目指したが、大手仲介会社と縁あって、起業からほどなく中古住宅やビルの検査診断を手掛ける道が拓けた。それから約10年。不動産取引で建物検査診断(インスペクション)が重宝される時代を迎え、磨きがかかった「建物を見立てる」スキルは職人域に達した。
「中古住宅流通促進に住宅政策が転換し、今では住宅の検査診断は広く知られているが、起業当時、診断を依頼してくれた仲介会社でさえ、営業担当が仲介物件のあら捜しをしていると勘繰ることも度々あった」と苦笑いする。
ひたすら実務に徹し、「仲介の現場で何度も売り主や買い主と直に接するうちに、人生最大の買い物である住宅の検査診断に携わることにやりがいを見出すように気持が傾いていった」と振り返る。「戸建ての依頼主は、長く住む前提で、検査を依頼してくることが多かった」こともその思いを強くさせた。


















