救急車も東京ルール
住宅新報 2011年9月6日 号 1面
東京ルールでお願いします――同乗した救急車の中で急病人を搬送する病院を探している隊員が、電話でやり取りしているのが聞こえた。こんな場所で賃貸住宅の原状回復について交渉するはずもない。しばらくして隊員からの説明で、救急医療の分野にも「東京ルール」があることを初めて知った。
◆近年、救急医療で受け入れる病院が見つからず、急病人の病状が悪化したり、帰らぬ人になってしまうことが社会問題になっていたことを思い出した。東京で救急搬送された年間約60万件のうち、94%は速やかに搬送先が決まっているらしいが、残る4万件がこうした問題に直面していると聞く。その隊員は、5回ほど連絡しても受け入れる病院が見つからない場合は、強制的に東京ルールが適用されてその圏域内にある地域救急医療センターの医師に搬送先医療機関の調整を依頼できると、説明してくれた。病人と付き添い人の心配も束の間、夜間、病院で受診することができた。
◆今夏の昼時は猛烈な炎天下が続き、節電もありと、お年寄りをはじめ体調を悪くした人も多かったはず。そういう時に限って救急車の出動も多くなる。ひと頃の暑さも収まり、急病人も今はなんとか原状回復し、普段の生活に戻れたが、もしもあのまま病院が見つからなかったら、と背筋の凍る思いをした。




























