記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(3月3日~3月9日)

Pick Up!
- 住宅ローン変動金利の平均水準が1%台へ モゲチェック調べ
- 競売不動産の件数に増加の兆候、高額物件も市場に並ぶか
- 野村不動産の見る住宅市場動向「住み替え前提、投資志向も強い」など
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。
初めは、配信直後から多くの反響を集めランキング首位となった「モゲチェック、【住宅ローン】変動金利、15年ぶりに平均1%超えへ 4月に多くの銀行が0.25%引き上げ見通し(2026/3/5配信)」です。日本銀行の方針転換により〝金利のある世界〟が到来して以降、住宅ローン金利動向は以前にも増して業界の大きな関心事となっていますが、本記事は見出しのインパクトもあってアクセスが集中した模様です。4月にはほぼ全ての銀行が0.25%金利を引き上げ、変動金利の平均水準は15年ぶりに1%を上回る見通し。家計への影響は大きく、依然として変動がシェアの大半を占めるものの、固定金利の選択割合上昇も見込まれます。また、「逆ざや」解消による住宅ローン控除率上昇も指摘されており、国レベルでの対応も想定される大きな節目と言えそうです。記事中では、こうした動向を受けたユーザー動向や金融機関側の戦略等の分析も紹介していますが、26年は、金融機関が金利だけでなく様々な手立てで商品・サービスの差別化を模索し、競争力向上を図る年になりそうです。必然的に、住宅供給・販売事業者にとっても、住宅ローン商品知識のアップデートが一層求められるのではないでしょうか。
次に紙面記事から、9位の「価格急騰クライシス 競売不動産 じわり増加予兆 見立て誤った投資家が先陣(2026/3/3号)」をご紹介します。融資返済の滞納等により、裁判所が担保物件を差し押さえて強制的に売却する競売不動産。近年は市場の需要・価格の高まりにより、任意売却で決着がつく不動産が多く、特に人気の高い都区部では競売に至る件数は減少傾向にあります。しかし専門家は、中小・零細企業の倒産件数増加等の社会情勢を受け、競売件数も増加の予兆があると指摘。実際に25年は1都3県の競落物件数は増加しています。一方で、競売に出てきた物件については総入札数や落札率等は弱含んでいる様子。つまり、競売市場における需給バランスが悪化傾向にあるということです。競売の落札価格も高額化し、利益を見込める〝出口〟へたどりつけるかどうか不透明になっている、という実情がうかがえます。そうした中、都心の超高額物件も競売市場に現れています。背景として、物件価格の高騰による転売の不振が想定され、同様のケースは今後も続く可能性があります。企業倒産の増加と併せて、競売市場の環境変化が想定される中、投資家や買い取り再販事業者にとっては、仕入れの好機であると同時に目利きを試される展開となりそうです。
最後に、こちらも紙面記事から10位の「野村不動産 住宅事業説明 『マイホーム概念が変化』 一生に3度の買い物へ(2026/3/3号)」を取り上げます。野村不動産の中村治彦住宅事業本部長が、最近の市場・顧客動向や同社の住宅事業を語りました。中村氏によると、最近では住宅が「一生に1度」から「一生に3度」の買い物となっているとのこと。ライフステージの変化に応じた住み替えや、投資的志向での住宅取得が広がっており、実際に買い替えや買い増しの顧客が増加傾向にあると言います。「多くの標準的な所得層が一生に1度住む家を買う」という時代から、国民の価値観や所得分布の変化等により、「買える人が複数回買う」時代になったということでしょう。併せて、首都圏のマンション市場は、引き続き堅調を維持するとの見立てです。しかし好調な市場環境に甘えず、顧客動向の変化を踏まえたターゲット設定や商品供給、訴求・販売戦略を重視するという同社のスタンスを示した談話です。同日に、同社は新たな新築分譲マンション販売拠点の開設についても公表しており、こちらもそうした戦略に基づいた取り組みと考えられるでしょう。
なお、今回は時期的な要因もあり、トップ10の半分が企業トップの交代人事や就任会見の記事となりました。業界の主要企業やそのグループ会社がほとんどのため甲乙つけがたく、個別の記事の紹介は割愛させていただきました。















