松岡英雄 新住まいの「ことわざ」(113) 下種(げす)の一寸のろまの三寸馬鹿の開け放し
住宅新報 2012年4月24日 号 16面
連載: 新住まいの「ことわざ」
電車の連結部分にあるドアを開けっ放しにして通り抜けていく人がいる。風が吹き抜けて座っている人に迷惑をかけることに気がつかない。戸障子は開けたら閉める、としつけられなかったに違いない。しつけられなかったことは無意識にはなかなかできない。だからこそ、しつけが大切なのである。
給食の時間、50回噛んで食べなさい、と先生から教わった。昭和20年代の子供はみんなお腹を空かしていたから、何でもがつがつと食べた。どちらかと言えば行儀の悪い食べ方だった。もっとゆっくり食べなさい、行儀良く食べなさい、先生はそれを50回噛めとしつけた。と、今になってわかる。私が人より食べるのが遅いのは、先生のしつけのせいかもしれない。
名門校では登下校の挨拶を「ごきげんよう」と教える。私は、ごきげんようは別れの挨拶だとばかり思っていた。周りにそんな挨拶をする人はいなかった。職場でも挨拶をしない人がいる。挨拶もしつけである。しつけられていないから挨拶ができない。























