縁の下の掃除番 松岡英雄新住まいの「ことわざ」 <127>
住宅新報 2012年7月31日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
湘南新宿ラインは高崎から小田原まで走っている。小田原に向かう電車に熊谷駅から乗ってきたお嬢さんが「母性看護学各論」という表紙の医科大学か専門学校の教科書を熱心に読んでいた。今時の若い人は電車の中ではみんなケイタイをいじっているだけに、教科書に目を通しているお嬢さんの姿は新鮮で、学生の頃を思い出した。
岐阜市を東西に流れる長良川の河畔にあった高校にはバスで通学していた。車内では赤尾の「豆単」で英単語を覚えた。英語の授業では毎回単語の試験があった。試験範囲は50~60語だったが、何しろ毎回だから結構たいへんだった。寸暇を惜しんで勉強した生涯で唯一の時期だったが、もっと努力した人が山ほどいたことを後の人生で知った。
その日は前橋にいる義母の様子を見に行った帰りだった。義母は80歳を過ぎてから家での生活ができなくなり、数年前から介護施設のお世話になっている。その介護施設の職員さんは、かつて看護師をやっていた女性が多いと聞いた。医学の知識があれば安心してお任せできる。そういう人たちの支えで介護の現場は成り立っている。























