松岡英雄新住まいの「ことわざ」 <134> 門前市を成す
住宅新報 2012年9月25日 号 16面
連載: 新住まいの「ことわざ」
高倉健が最近、6年ぶりの映画「あなたへ」に主演し、またテレビCMにも出ているが、私にとっての高倉健は、「網走番外地」や「昭和残侠伝」で悪を叩きのめしたカッコいい健さん、「遥かなる山の呼び声」や「幸福の黄色いハンカチ」での渋い大人の健さんであって、いま見る健さんは高倉健ではないというのが個人的な偏見である。
スターは老いてはならない。カッコよさは永遠でなければならない。これは、ファンのわがままであるが、スターはこれに応えてくれないといけない。昭和の大女優・原節子が引退後まったく私生活を公表しないのは、ファンを裏切らないための彼女のファンサービスかもしれない。50代で亡くなった裕ちゃんは当然、永遠にスターであり続ける。
「門前市を成す」とは、門の前に人や車馬が多数群がり集まる。地位・名声を慕って集まってくる者が多いことのたとえ。出入りする人が多いことである。スターの周りは常にそうでないといけない。スターを維持するとはそういうことでもある。81歳で映画に出演することは高倉健がスターである証しであり、彼のファンサービスとも言える。






















