新住まいの「ことわざ」<156> 釘を刺す 松岡英雄
住宅新報 2013年3月5日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
2回目の3.11がやって来る。東北地方の復興は進んでいるのだろうか。元気を取り戻したのだろうか。現地の報道も減ってきている。人はひとごとにはいつまでも関心を持たない。時間が経てば忘れていく。
安倍政権が原発ゼロではないと言い出した。経済再生には、原発は必要だという。福島の人たちの痛みは東京の人間にはわからない。しかし、放射能の恐さまで忘れてしまってはならない。天災は防ぎようがないが、人災は防がないといけない。そうでないと、福島の人たちがいま払い続けている途轍もない犠牲が無駄になってしまう。
先月亡くなった市川団十郎さんは、白血病と闘っていた。治療を受けるときの苦しみは「無間(むけん)地獄」だと生前語っていた。無間地獄は「阿鼻(あび)地獄」とも言い、現世で大罪を犯した者が落ち、猛火で焼かれるという8つある地獄のうち最も苦しい地獄のことである。歌舞伎役者だから、その痛みを無間地獄とたとえたのかもしれない。






















